インフルエンザワクチン接種について
インフルエンザは毎年のように流行し、重症化するリスクのある病気です。インフルエンザワクチンは、現在以下の2種類があります。日本小児科学会は、接種可能なすべての方が、いずれかのワクチンを接種されることを推奨しています。現時点では2種類のワクチンの効果は同等であると考えられています。
注射型インフルエンザワクチン:6か月以上のすべての年齢の方に接種可能な不活化ワクチンです。皮下注射で行われます。
経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト🄬):2歳から19歳未満の方に接種可能な生ワクチンです。鼻へのスプレーで行われます。
年齢別
生後6か月~2歳未満(1歳11か月まで)の方、19歳以上の方
注射型インフルエンザワクチンの接種が可能です。
2歳~19歳未満(18歳11か月まで)の方
注射型インフルエンザワクチンと経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト🄬)のいずれかをお選びいただけます。どちらのワクチンにも、いくつかの特徴・注意点があります。特にフルミスト🄬選択の際には、以下をご確認ください。
注射型インフルエンザワクチン
インフルエンザウイルスの一部分(コンポーネント)が皮下注射で接種される、不活化ワクチンです。
体内で、接種されたコンポーネントに対する抗体が作られることにより、流行中のウイルスに接触した際に感染防止・重症化防止に働きます。
生後6か月以上のすべての年齢の方が接種を受けることができます。13歳未満の方には2回接種をお勧めしております。
不活化ワクチンであり、生きているウイルスは含まれておりません。したがって、このワクチンの接種によってインフルエンザに感染することはなく、妊娠している方、免疫不全症の方などにも接種可能です。
接種不適当者
- ・当日発熱や体調不良などの急性症状のある方
- ・以前にインフルエンザワクチンで重篤なアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことのある方
- ・その他、医師により接種不適当と判断された方
その他・注意点など
- ・軽度のアレルギー(卵など)の方は接種可能な場合が多いですが、ご心配な方は主治医とご相談ください。
経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト🄬)
弱毒化された、生きているウイルスが用いられる生ワクチンです。ワクチンウイルスが鼻にスプレーされる方法で接種が行われます。
生ワクチンであるという点においては、麻疹風疹ワクチン・水痘ワクチン・おたふくかぜワクチンと同様です。弱毒化されたウイルスに前もって感染しておくことによって体内で抗体が作られ、流行中のウイルスと接触した際に感染防止・重症化防止に働きます。2歳から19歳未満の方のみ接種可能です。1回の接種で完了し、注射型と同等の効果があることが確認されております。
注射型ワクチンと比べ痛みは少ないですが、「経鼻」かつ「生」ワクチンであることにともない、いくつかの注意点があります。
接種不適当者
- ・当日発熱や体調不良などの急性症状のある方
- ・フルミスト🄬の成分(ゼラチンを含む)で重篤なアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことのある方
- ・免疫不全症の方、免疫抑制剤やステロイド内服などの治療を受けている方
- ・川崎病などでアスピリンを服用されている方
- ・妊娠されている方
- ・その他、医師により接種不適当と判断された方
その他・注意点など
- ・フルミスト🄬には、ゼラチンが含まれています。ゼラチンで重篤なアレルギー(アナフィラキシーなど)を起こしたことのある方には注射型ワクチンを推奨いたします。
- ・重篤な喘息をお持ちの方、喘鳴の症状のある方は「接種要注意者」となっており、日本小児科学会は喘息の方には注射型ワクチンを推奨しています。
- ・妊娠されている方にはフルミスト🄬の接種はできません。妊娠可能年齢の方は、接種前1か月と接種後2か月の避妊をご確認ください。ご不安のある方には注射型ワクチンを推奨いたします。
- ・フルミスト🄬接種後、鼻咽頭にワクチンウイルスがしばらく存在し続けます。その間は、インフルエンザにかかっていなくても、迅速検査で陽性と判定(偽陽性)されてしまう可能性があります。したがって、接種後1か月以内に他の医療機関を受診される際には、フルミスト🄬接種を受けたことをお伝えいただく必要があります。
- ・接種後、鼻咽頭に存在するワクチンウイルスが、飛沫あるいは接触によりフルミスト🄬未接種の方に感染する(「水平伝播」と言います)可能性があります。水平伝播の可能性期間は、迅速検査偽陽性の期間より短いと考えられますが、接種後2週間程度は免疫不全の方、妊娠されている方、授乳婦の方、生後3か月未満の乳児の方との濃厚接触は避けるべきとされています。同居家族に対象者がいらっしゃる場合などは、注射型ワクチンを推奨いたします。
- ・抗インフルエンザ薬の使用により体内でのワクチンウイルスの増殖が抑制され、フルミスト🄬の効果が減弱する可能性があります。過去1か月以内に抗インフルエンザ薬が使用されている場合にはお知らせください。薬の種類、服薬時期によっては、注射型ワクチンが推奨されます。フルミスト🄬接種後も2週間程度は抗インフルエンザ薬の使用を可能な限り避けるべきとされています。
- ・中枢神経系(頭蓋や顔面)に解剖学的な問題のある方、ミトコンドリア脳筋症の方にはフルミスト🄬が推奨されない場合があります。主治医とご相談ください。
- ・軽度のアレルギー(卵など)の方は接種可能な場合が多いですが、ご心配な方は主治医とご相談ください。
文責 院長:太田節雄
初版:2026.9.1