今回は、「疎経活血湯」(そけいかっけつとう)の生薬をご紹介します。
自分で試してみてちょっと感動した漢方薬です。
どんな時に使う薬かというと「関節痛」「神経痛」「筋肉痛」など。しかも、急性でも慢性でも、寒邪、風邪、湿邪、どんな痛みもOKというマルチな漢方薬です。
どんな生薬が入っているかというと・・・
〇当帰(とうき):養血活血 肝血を養い巡らせる
〇芍薬・地黄(しゃくやく・じおう):陰血を養い巡らせる
〇川芎(せんきゅう):活血 行気
〇桃仁(とうにん):活血化瘀 活血力強い 桃の種の中の仁
〇牛膝(ごしつ):肝腎を滋養 筋骨き強化 働きを体の下へ向けてくれる(足腰)
〇防風・白芷(ぼうふう・びゃくし):風寒邪を除き止痛
〇羌活・防已(きょうかつ・ぼうい):湿邪を除き止痛
〇威霊仙(いれいせん):風邪を除き止痛 経絡に侵入した邪を除去
〇竜胆(りゅうたん):清熱燥湿 長引く痛みによる内熱を除去
〇白朮・茯苓(びゃくじゅつ・ぶくりょう):胃腸の気を養い、水を巡らせる
〇陳皮(ちんぴ):乾燥させたみかんの皮 気を巡らせる
〇生姜・甘草(しょうきょう・かんぞう):隠し味 諸薬の調和
ふう~生薬たくさんです。
こうして書き出してみると、気血水の「血」(けつ)を徹底的に巡らせてくれているのが分かります。
しかも、「気」や「水」も巡らせ痛みを取ってくれる生薬たちが集まっているのですね。
牛膝(ごしつ)という生薬は、効果を体の下へと導いてくれるので、足腰の悩みにはよい漢方薬かもしれません。
他の生薬もほとんどが植物の根っこです。
根っこは足腰に効くのでしたね。
セリ科の植物が多いのも気を巡らせてくれるのかもしれません。
ここ数か月、足腰の痛みやしびれに悩まされていたのですが「まあ年のせいだし仕方ない」と我慢していました。
しかし、先日都内に出かけた時に階段はつらいわ、早く歩けないわ、腰から下が棒のようになってしまい「ワタシ、どこか悪いんじゃ?」と気分まで沈んでしまったのです。そこで、ハッとひらめいたのがこの漢方薬でした。
次の朝一包飲んでみたら、腰がぽかぽか、痛みも消え、おまけに気分も晴れやか、尿の出もよく、快便!
もう、びっくり爽快!
「瘀血」だったんだなあ」と実感。「瘀血」(おけつ)とは血の巡りが悪いということです。
そして、気血水のどれかがひとつが滞っているとすべてが歯車のようにつながって不調の連鎖になっていたことに気づいたのでした。
あくまでも、個人的な感想ですが、老化とともに進むのが「瘀血」だと習ったことも思い出しました。
80歳をすぎて、歩くことが困難になってきた父に勧めていた漢方薬でしたが、自分も朝晩で続けて飲んでみようと思っています♪
漢方養生ノートが6頁目になりました。
更新がゆるやかどころか、ご無沙汰な感じですが(;'∀')懲りずにご覧くださったら嬉しいです。
先月、薬物学マスターの認定試験に合格したので、漢方薬についてもたくさん書いていきたいと思っています。(思っているだけだったらごめんなさい)
さて、今日は「つまると痛い」というタイトルです。
冷蔵庫に食材がたくさん!冷凍室もぎゅうぎゅう詰め。。。まとめ買いは便利ですが、そんな庫内を見ると焦りませんか?
空いてくると、なんだかホッとするのです。
人の身体も同じで、「いきがつまる」「のどがつまる」「胸がつまる」なんて表現もあるように「つまる」と憂鬱です。
実際、食べすぎも漢方では「食積(しょくせき)」といって、お腹が詰まるという意味です。
便がつまれば「便秘」血管がつまれば「溢血」です。
そして、痛みを伴いますね。
漢方では、他に冷えると痛い、とも考えます。実際、脳溢血や便秘も冷えが原因ということもあります。
要するに、つまるといいことないということですね。
腹八分・・・いや七分くらいが理想です。便も毎日快調がベストですし、血液もサラサラが理想。気血水の「水」が詰まれば滞ってねばねば濁った水が体中に巡ってしまうのです。「痰湿(たんしつ)」という状態です。
そのために、そんなものを食べたらよいか、生活習慣はどうしたらよいか、と自分の身体(または家族の身体)について考えるだけでも「養生」なのだと思います。
医院名 |
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医療法人社団 澄明会 もり小児科 |
院長 |
森 淳夫 |
住所 |
〒290-0035 千葉県市原市松ヶ島2-1-13 |
診療科目 |
小児科 |
電話番号 |
0436-26-1959 |